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今やれることから、地震対策をはじめてみませんか?

熊本地震の想定外の広がりなどを見ると、誰もが他人ごとではありません。
世間的にも住宅の地震対策について関心が高まっており、
リファイン生駒でも、耐震診断・耐震補強についてのご依頼が急増しています。

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今日は耐震について考えてみます。

木造住宅では、①壁量、②劣化対策、③耐力壁のバランス、④柱の抜け防止の4つのポイントで耐震性能が決まります。
※鉄筋コンクリート造りのマンションや鉄骨造りの一戸建ての場合は、ポイントが異なります。

①の「壁量」というのは、耐力壁の長さのことで、
地震や強風に耐えるためにどの程度の壁量が必要かについては、建物の重さ(屋根が軽い素材か重い素材か)や、建物の階数、床面積によって変わってきます。
2階建ての1階部分であれば、屋根だけでなく2階部分の重みも加わるため、平屋の場合や2階建ての2階部分の場合に比べると多くの壁量が必要となり、床面積に比例して壁量も増えるという関係性にあります。
なお、「耐力壁」とは、構造を組み立てる柱(主要な縦材)と梁(主要な横材)が形成する四角の中に、「筋交い」という斜め材が入っている壁、または、構造用合板など「耐力面材」を貼った壁のことをいいます。

②の「劣化対策」は、雨水の侵入やシロアリに対する処理の有無で、
木材に防腐防蟻処理(薬剤塗布など)を施して、木材を劣化させないようにすることもポイントです。

③の「耐力壁のバランス」とは、外周部と内部に耐力壁をバランスよく配することです。
例えば、1階の一部がガレージとなっている「ビルトインガレージ」の一戸建ての場合、1階の一部をガレージにするために、出入り口となる面の壁をなくしても他の3面に耐力壁を多く入れれば、必要となる壁量は満たされるが、耐力壁の場所が偏っているため、地震に弱くなってしまいます。出入り口の面の一部に堅固な壁をつくるか、鉄骨で門型のフレームを組んで補強するなどの対策が必要です。

④の「柱の抜け防止」とは、壁量が十分であっても、巨大地震の揺れで柱の足元や頭の部分が土台や梁から抜けてしまうため、これを避けるには接合部分にしっかりとした止め金物を使って固定する必要があります。

すでに木造住宅に住んでいる人については、今できることとして、「耐震診断」があります。
耐震診断にも種類があり、設計図面だけで耐震性能を判断する「簡易診断」なら費用も安価にに抑えることができます。
簡易診断で問題ありとなった場合は、専門家が現地調査を行う「一般診断」を行うが、調査は目視できる範囲で行われるため、目視できない範囲は原則として「安全側」(より評価が低くなる方)の判断となり、耐震診断の判定も低く出がちだになります。

一般診断を基に「耐震補強計画」を立てることはできるが、耐震リフォームを前提に、建物の一部を解体して確認できる範囲を広げて診断する「精密診断」をすれば、信頼度はより上がります。

耐震診断では、各階のX軸とY軸の2方向でそれぞれ判定するが、最も低い値がその住宅の総合評価となります。
耐震診断の結果を受けたうえで、総合評価が1.0以上になる耐震リフォームをすることが理想ではあるが、費用があまりないから何もしないと考える人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、耐震診断で自宅の耐震性をきちんと把握しておくことと、少しでも耐震性を高めておくことをぜひ考えていただきたいと思います。

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対策は状況に合わせて、支払える予算内で耐震性の低い部分をできるだけ補強する方法もあれば、リフォームをする予定の部屋だけでも耐震補強をしたり、屋根だけでも軽量化するリフォームをしたりというように、方法はいろいろあります。
あなたも、今やれることから地震対策をはじめてみませんか?

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